【FP2級AFP過去問”解説”】2018年9月・実技(問11~20)

【FP2級AFP過去問”解説”】2018年5月・実技(問1~10) | 酒井FP綜合事務所

FPやなちゃん | 酒井FP綜合事務所2018年9月検定の過去問を解説します。

実技・問11~問20

※日本FP協会:資産設計提案業務


問11. 法人契約の経理処理(リスク)

株式会社RKの代表取締役である長谷川和彦さん(44歳)は、現在、法人契約での生命保険の加入を検討しており、下記の生命保険について、FPで税理士でもある大下さんに支払保険料に関する税務の相談をした。大下さんがそれぞれの生命保険の保険料支払時における一般的な経理処理について述べた次の説明の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句を何度選んでもよいこととし、契約条件はいずれも以下のとおりとする。


答え.(ア)1(イ)1(ウ)3(エ)2

法人を契約者とする生命保険の経理処理に関する出題です。法人契約の保険については、法人を受取人とする事業保険と役員や従業員、その遺族を受取人とする福利厚生保険の2つに分類されます。
そして、保険商品の種類によって会社が支払う保険料が損金(経費)になるのか、あるいは資産(貯蓄)になるのか。理解する必要があります。
まず、終身保険は『積立て』要素が高いので会社が支払う保険料は、全額資産に計上します。
次に、定期保険は『掛け捨て』要素が高いので、会社が支払う保険料は、全額損金に計上します。
ですが、定期保険であっても保険期間が長い場合など、解約返戻金が高くなるような商品は、積立て要素もあると考えられます。※長期平準定期といいます。
その際は<参考資料>から定期保険(全額損金)なのか?長期平準定期(1/2資産)なのか?を判定をする必要があります。
つまり、会社が支払う保険料が積立て保険なら資産。掛け捨て保険なら損金。
として計上するということです。
・定期保険A:『全額損金』
・定期保険B:『全額損金』
・定期保険C:前半6割の保険期間『1/2資産』
・定期保険D:『全額資産』


問12. 生命保険料控除(リスク)

西里良二さんが2018年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。この場合の西里さんの2018年分の所得税の計算における生命保険料控除の金額として、正しいものはどれか。
なお、下記<資料>の保険について、これまでに契約内容の変更は行われていないものとする。また、その年分の生命保険料控除額が最も多くなるように計算すること。

1. 39,500円
2. 74,500円
3. 79,500円
4. 89,500円

答え.3

<資料より>
・定期保険:契約日(2005年4月)→ 旧生命保険料控除
年間保険料 58,000円 → 控除額『39,500円』速算表より
・個人年金保険:契約日(2015年8月)→ 新生命保険料控除
年間保険料 250,720円 → 控除額『40,000円』速算表より
合計=『79,500円』


問13. 自動車保険(リスク)

下記<資料>に基づき、杉山さん(50歳)が契約している自動車保険に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには〇、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、<資料>に記載のない特約については考慮しないものとする。

(ア)杉山さんの友人(50歳)が被保険自動車を運転して事故を起こした場合、補償の対象とならない。
(イ)杉山さんが被保険自動車を運転中に事故を起こしケガをした場合、過失割合に関わらず治療費用の補償を受けることができる。
(ウ)杉山さんと同居している杉山さんの長女(21歳)が被保険自動車を運転して事故を起こした場合、補償の対象となる。
(エ)杉山さんが所有する原動機付自転車(50cc)を杉山さんの妻(45歳)が運転し、事故を起こして他人にケガを負わせてしまった場合、補償の対象となる。

答え.(ア)〇(イ)〇(ウ)×(エ)〇

(ア)ノンフリート運転者年齢条件が『30歳以上補償』と記載があるので、杉山さんの友人が事故を起こした場合は、補償の対象となります。
(イ)人身傷害に加入しているので、杉山さんが事故を起こしてケガをした場合、過失割合に関わらず治療費用の補償を受けることができます。
(ウ)杉山さんの長女(21歳)は、30歳以上ではないので、長女が事故を起こした場合、補償の対象となりません。
(エ)ファミリーバイク特約に加入しているので、杉山さんの妻が原動機付自転車を運転し、事故を起こして他人にケガを負わせてしまった場合であっても、補償の対象となります。また、ファミリーバイク特約は年齢制限がないので、30歳未満の者が事故を起こした場合でも、補償の対象となります。


問14.  総所得金額(タックス)

駒田シゲ子さん(69歳)の2018年分の収入等が以下のとおりである場合、駒田さんの2018年分の所得税における総所得金額を計算しなさい。なお、青色申告特別控除10万円の適用を受けるものとする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

答え.62万

<老齢年金(雑所得)の計算>
72万-72万(速算表より)=0万
※遺族厚生年金は非課税です。
※公的年金等の雑所得は、マイナス(赤字)になりません。
<アパート収入(不動産所得)の計算>
120万−48万-10万(青色申告特別控除額)=62万
合計(総所得金額)=62万


問15. 損益通算(タックス)

個人事業主で青色申告者である細井さんの2018年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、細井さんが2018年分の所得税の確定申告を行う際、事業所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。

1.不動産所得 ▲120万円および譲渡所得 ▲30万円と損益通算できる。
2.不動産所得 ▲120万円および雑所得 ▲10万円と損益通算できる。
3.不動産所得 ▲80万円および譲渡所得 ▲30万円と損益通算できる。
4.不動産所得 ▲80万円と損益通算できる。


答え.4

事業所得と損益通算できる損失は『不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得』の損失です。また、譲渡所得であっても上場株式の譲渡による損失は、損益通算が認められません。雑所得の損失も損益通算の対象外です。

事業所得:840万
不動産所得:▲80万(土地取得のための借入金の利子40万は損益通算の対象外)
譲渡所得:0万
雑所得:0万
損益通算できる対象額:80万


問16. セルフメディケーション税制(タックス)

所得税におけるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。

(ア)セルフメディケーション税制の適用対象者は、その適用を受けようとする年分に、健康の保持増進および疾病の予防に関する一定の取組みを行っている居住者である。
(イ)会社員の場合、一定の要件を満たしていれば、年末調整によりセルフメディケーション税制の適用を受けることができる。
(ウ)セルフメディケーション税制の適用を受ける場合、その年分に従来の医療費控除の適用を受けることはできない。
(エ)セルフメディケーション税制における控除の上限額は10万円である。

答え.(ア)〇(イ)×(ウ)〇(エ)×

(ア)セルフメディケーション税制の適用対象者は、その適用を受けようとする年分に、健康の保持増進および疾病の予防に関する一定の取組みを行っている居住者です。つまり、自己管理として疾病予防のために健康診断などを受けている者です。
(イ)セルフメディケーション税制の適用を受けるためには『確定申告』が必要です。
(ウ)従来の医療費控除とセルフメディケーション税制は『併用できません』。いずれか有利な方(控除額が大きい方)を選択します。
(エ)セルフメディケーション税制における控除の上限額は『8.8万』です。


問17. 法定相続分(相続)

下記<相続関係図>の場合において、民法の規定に基づく法定相続分に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句または数値を語群の中から選び、解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句または数値を何度選んでもよいこととする。

[相続人の法定相続分]
・ 被相続人の妻の法定相続分は( ア )、遺留分は( イ )。
・ 被相続人の母の法定相続分は( ウ )、遺留分は( エ )。

答え.(ア)2/3(イ)1/3(ウ)1/3(エ)1/6

民法の規定に基づく法定相続分に関する出題です。
『妻(配偶者)』は常に相続人。第一順位である子(直系卑属)は相続放棄をしていますから、第二順位の『母(直系尊属)』が相続人となります。
遺留分は、相続人が『妻・母』なので『法定相続分×遺留分(1/2)』で計算します。
<法定相続分>
妻:2/3
母:1/3
<遺留分>
妻:2/3×1/2=1/3
母:1/3×1/2=1/6


問18. 相続開始後の手続き(相続)

吉田さんは、相続開始後の手続き等について、FPで税理士でもある西山さんに質問をした。下記の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句を何度選んでもよいこととする。

答え.(ア)1(イ)5(ウ)3(エ)2

相続開始後の手続きに関する出題です。3級レベルなのでラッキー問題でした。
相続が開始してからのスケジュール。改めて押さえておきましょう。
3ヵ月:承認or放棄(家裁)
4ヵ月:準確定申告
10ヵ月:相続税の申告


問19. 贈与税額の計算(相続)

三上孝太さん(35歳)は、母(60歳)と祖母(83歳)から下記<資料>の贈与を受けた。孝太さんの2018年分の贈与税額として、正しいものはどれか。なお、母からの贈与については、2017年から相続時精算課税制度の適用を受けている(適用要件は満たしている)。

1. 1,085,000円
2. 1,130,000円
3. 1,170,000円
4. 1,300,000円

答え.1

贈与税額に関する出題です。母からの贈与については、相続時精算課税を選択します。
<母からの贈与>(相続時精算課税)
・2017年 800万
・2018年 2,000万
(2,800万-2,500万)×20%=60万
※相続時精算課税を適用した年から2,500万までの贈与が非課税となり、2,500万円を超えた分に対して一律20%の税率を乗じて贈与税額を計算します。
<祖母からの贈与>(暦年課税)
・2018年 500万
(500万−110万)×15%−10万=48.5万
※贈与税の基礎控除110万
※祖母からの贈与のため(イ)20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合に該当します。

合計=1,085,000円


問20. 相続税評価額(借地権)(相続)

下記<資料>の土地に係る路線価方式による普通借地権の相続税評価額の計算式として、正しいものはどれか。

1. 380千円×1.00×330㎡
2. 380千円×1.00×330㎡× 70%
3. 380千円×1.00×330㎡×(1-70%)
4. 380千円×1.00×330㎡×(1-70%×30%×100%)

答え.2

土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示しています。
路線価方式における土地の価額は、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算します。
<自用地(自分が使っていた土地)>
380千円×1.00×330㎡=125,400千円

問題文に、普通借地権の相続税評価額と記載がありますから
この土地を他人に貸していたということがわかります。
なので、自用地に借地権割合を乗じた値が普通借地権の相続税評価額となります。
<普通借地権(土地を借りている人の評価額)>
380千円×1.00×330㎡× 70%=87,780千円

※参考:日本FP協会


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