【知っててよかったお金の話】贈与の落とし穴

【知っててよかったお金の話】贈与の落とし穴 | 酒井FP綜合事務所

● 贈与って、、?

人に物をタダであげる、人から物をタダでもらう。このことを贈与といいます。使わなくなったものをあげたり、お土産を買ってきてあげたり。日常生活のさまざまな場所で”贈与”が行われています。

贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。(民法549条)

贈与が発生する要件として、意思を表示するということが必要です。

「〇〇さん、これあげる!」「え、いいの!?じゃあ、ありがたくもらうわね。」

このやりとりでは〇〇さんの「もらうわね」という言葉が”受諾”に当てはまります。

このことを受諾契約といいます。

この”贈与”ですが、口約束の場合は撤回をすることができます。ただし、あげる前です。「〇〇さんごめん!この間あげるって言ってたもの渡せなくなっちゃった!」ということは法律上OKなんですね。

● やっぱりなし!ができない贈与

書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りではない。(民法550条)

”贈与”の落とし穴は、書面による贈与は撤回することができない、という点にあります。

ところで、迷惑メールを受け取ったことはありますか?

『おめでとうございます!宝くじに当選しました!』『実はご相談がありまして…。』などなど、どこからアドレスが漏れたのか気になるぐらい、色々な迷惑メールがきますよね。そんな迷惑メールが”贈与”とみなされた裁判が最近ありました。その裁判を要約すると、こんな裁判です。

ある日Aさんの元に出会い系サイトを運営する会社から『おめでとうございます!500万円が当選しました!』というメールが届きました。

そこでAさんは「ふ~ん、じゃあ払ってください!」といった内容のメールを送りました。

この時点で、「あげます!」「もらいます!」というやりとりが完了しています。
※相手方は業者であり、業者対個人の場合は書面による贈与とみなすことがあるようです(諸説あり)。メールの場合、個人と個人とのやり取りでは一般的に日常会話と同じように扱うようです。

すると、出会い系サイト運営会社側から払うつもりがないという返答がきました。

じゃあ裁判ですね!と、Aさんは出会い系サイト運営会社に対し訴訟を起こしました。

その結果、、

Aさんは出会い系サイト運営会社から100万円を支払わってもらうことに成功しました。

※当事者間で和解が成立したので、500万円ではなく、100万円だったようです。

この裁判は和解が成立したため、判例(正式な裁判の記録)が残っていないのが残念です。

ただ、相手方の弁護士はこの裁判をこのまま進めることが不利だと思い、和解というカタチで裁判を終わらせることにした。となればやはりいう解釈が成立するならメールでの贈与も、書面での贈与とみなすという説が有力ですよね。

● 贈与の落とし穴

先述したとおり、”贈与”には

  • 撤回できる贈与
  • 撤回できない贈与

の2種類があります。誰かにものをあげるときは注意してくださいね。うっかりメールで「使わないものがあるんだけどいらない?」なんて聞いてしまうと、「やっぱりなし!」ができなくなってしまいますよ((+_+))